片付けと仕事が結びつく人は少ないかもしれません。しかし、間違いなく片づけは仕事の一部だということができます。
「片づけ=仕事」
「片づけ生活」では片付け・整理収納の内容は仕事に大いに役立てることができるというスタンスをとっています。この記事以外の記事も読んでいただいてそのことを実感していただけるとありがたいですね。
以前にレビューをした「佐藤可士和の超整理術」でも書きました。
[書評]『佐藤可士和の超整理術』の感想~アイデアが洗練される3ステップの整理術~
片づけは企業の生産性を支える非常に大切な仕事だということが書かれています。
この「生産性を上げる企業の片づけ」を会社のシステムの中に入れてどの会社よりも実践しているのがトヨタです。トヨタでは「5s」、「トヨタ生産方式」と呼ばれるものの中に片づけを導入しています。まさに「片付は仕事」を実践しています。
では、どうやったら片付けを仕事に結びつけることができるのでしょうか?できればトヨタが実際に行った手順を知りたいものです。
今回はそんなトヨタの片づけを詳しく知ることができるこの1冊を紹介します。
本のタイトル通り「トヨタの片づけ」について非常に詳しく書かれています。わかりやすいですね!
タイトル、著者、出版社
タイトル:トヨタの片づけ CLEANING AND ORGANIZING THE TOYOTA WAY
著者:(株)OJTソリューションズ
出版社:中経出版
目次
CHAPTER1 トヨタ流「片づけ」で仕事が変わる!うまくいく!
CHAPTER2 ムダを減らすよと他の「整理術」
CHAPTER3 仕事を効率化させるトヨタの「整頓術」
CHAPTER4 トヨタ流片づけが「習慣化」する方法
目次を見ると内容の順番がわかりやすいですね。
大まかな内容
元トヨタマンである著者がトヨタ流の片づけの考え、ノウハウを示した本です。トヨタの片づけを通して仕事環境を作り、改善し、仕事の効率を上げることを目指して読み進めていくといいでしょう。
ここの本に書いているのはいわゆる「お片づけ」のようなしつけ、生活の知恵というものではありません。実践的な仕事の技術である片づけについて書いています。
片づけが単なる生活の知恵に終わるものではないということはこのブログでも書いています。この本はオフィス、現場の仕事の役に立つ実践的な内容を理論的に示しているとても良い本です。
この本を読むと、片づけの考え方がわかり、仕事、勉強など多くの面でパフォーマンスが上がるポイントがつかめるかもしれません。片づけを仕事で使うためのステップが丁寧に書かれているのでこの本を最初から読み進めていけば、どのように実践すればいいのかがわかると思います。
仕事場の片づけで重要な5sにそってい丁寧に解説!
この本では5S、つまり ・整理 ・整頓 ・清掃 ・清潔 ・しつけ で表すことができる「片づけ」は仕事の一部であるという考えに沿って書かれています。本の構成も基本的に5Sの手順に従いながら書かれています。
トヨタでは、片づけはただものをそろえるだけにとどまりません。片づけは仕事そのものであるととらえています。
トヨタでは、5s、すなわち片づけは仕事の一部ととらえられています。
本書p33より
関連記事
・【職場の5s活動とは?】5s活動の意味と6つの事例を紹介!
・会社の生産性が上がる5s活動の定義と進め方のポイントを解説!
本の中では、片づけのステップを大きく3つの分けて書いてくれています。
- 整理
- 整頓術
- 習慣化(清掃、清潔、しつけ)
です。 整理収納アドバイザーの人は整頓ではなく、収納という言葉をよく好んで使っている気がします。また、整理も最近では断捨離という言葉の方がよく使われていますね。同じ意味と考えて大丈夫です。
本書のステップに従いながら、内容を見ていくことにしましょう。
1.トヨタの整理術
整理ではいるものと要らないものを分ける方法について書いています。いるものと要らないものを分けて、いらないものを捨てるのが整理です。
この整理が片づけの一番初めだということですね。いらないものを分けて捨てるということは意外にも難しいので、この分けるためのコツ、考え方を読んで上手に整理しましょう。
ポイントは放置されているものを減らし、いらないもの、使わないものをなくし、仕組化すること。本書を読めば意味が理解できるはずです。
2.トヨタの整頓術
本書では、整頓とは「必要なもの」を「必要な時」に「必要なだけ」取り出せるようにすることだと書いています。そのためには不随作業を減らしましょう。
整頓とは、「必要なもの」を「必要な時」に「必要なだけ」取り出せるようにすること。
「付随作業がゼロになるように置き場を決める」ということ。トヨタでは、この考え方が徹底されています。
本書p133より
付随作業とはなるべく減らしたい余分な動作ということだと思っていただければいいです。
モノの配置の決め方やラベリングなど整頓(収納)の工夫がたくさん紹介されています。すべて、上記の目標に沿って説明されているので一貫しています。
詳しくは読んでください。どこにモノを置くのか、どのように並べるのか。そのコツを学んでください。
3.トヨタ式習慣化のコツ
きちんと片づいたら、片づけの習慣を続けてきれいな状態を維持しましょう。 点検や習慣づけなど、きれいを維持させるコツがこの本の最後の章で説明されています。
片づけが「習慣化」されないと、職場の整理・整頓は完成しないのです。
本書p199より
きれいな状態をキープしていくことで、きれいなままになりますね。この「習慣化」を実践されると掃除しなくて済むというのはこの本の特徴的な考えです。
「そもそもそうじしなくて済むしくみ」を考えることも、掃除のひとつなのです。
本書p211より
会社を片づけないとムダが出る
会社を片づけなくても仕事に支障は出ないと思っていませんか?ところがどっこい、たくさんのむだが出て仕事に問題が発生してしまうのです。
逆にムダがなくなれば仕事の効率が良くなり、経営にも良い影響が出ます。この本では4つのムダについて書いています。
4つのムダとは、いったい何なのか?
ムダが出ると会社の経営にどのような影響が出るのか?
4つの「ムダ」については別の記事で丁寧に書かせていただきました!
関連記事:片付けをしないと発生する会社の4つの「ムダ」とは?【トヨタの片づけ】
感想
「これはすごい!」
そう思える1冊ではないかなと思います。ここまで丁寧に片付けの手順、特にオフィスの片づけについて書かれている本はそうそうないでしょう。しかも、トヨタ式の片付けですから効果があることもわざわざ言う必要がないですしね。
今回のレビューでは正直、この本の内容はほとんど伝えることができていません。なぜなら、一つ一つのノウハウがとても中身が濃く、このレビュー記事に書くと文字量が多くなりすぎてらちが明かないからです。
それほどにこの本に書いてあるノウハウは質も量の充実していると自分は思っています。
今後、このブログの記事でこの本や『佐藤可士和の超整理術』などの本を用いつつ片づけのコツを紹介する記事が多く出していく予定です。すごくいい内容が多いのでぜひとも共有したいですから。
ぜひ読んでください。オフィスの整理収納がぐんぐん進み、会社の生産性を大きく上げるヒントがあるはずです。
当社でもオフィス整理収納についての記事をたくさん書いているので、参考にしてください。
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